【ソウル/韓国 2日 AFP】盧武鉉(ノ・ムヒョン、Roh Moo-hyun)大統領の直属機関、「親日反民族行為者財産調査委員会」は2日、日本の植民地統治に協力した「親日派」9人の子孫の所有財産を没収、国有化すると発表した。

 韓国政府が日本統治下の対日協力者に対して法的措置を講じるのは、1945年の独立以来初めて。

 対象となったのは、李完用(イ・ワンヨン、Lee Wan-Yong)元首相ら日本の植民地政府に協力したとされる9人の子孫が所有する土地。

 委員会の調査によると、9人は植民地政府に協力した見返りとして、政府内の役職や財産を与えられたとされる。

 AFPの取材に応じた同委員会のJang Mi-Jeong広報担当は、今回の没収措置は手始めにすぎないと述べ、「親日派」が対日協力で取得した財産の調査、没収を、今後も引き続き行っていく考えを明らかにした。
 
 同委員会は、2005年12月施行の「親日反民族行為者財産帰属特別法」に基づき設置された。これまでの調査で、452人を1910年から1945年の日本の植民地支配下で対日協力を行った「親日民族行為者」と確定している。

 今回の没収対象となる土地価格は36億ウォン(約4億6300万円)相当で、委員会では、独立運動活動家らやその子孫への補償金などに充てる考えだという。
 
 写真は、日本からの独立を記念する「8.15光復節」で韓国国旗で覆われたソウル市庁舎(2005年8月10日撮影)。(c)AFP/PARK JI-HWAN