【バグダッド/イラク 1日 AFP】内務省当局は1日、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)イラク支部のエジプト人指導者アブアユーブ・マスリ(Abu Ayyub al-Masri)容疑者が組織内部の抗争で死亡した可能性があると発表した。

 内務省報道官によると、一部確認が必要であるものの、情報機関がかなり有力な関連情報を入手したという。報道官は国営テレビに対し、「マスリ容疑者は内部抗争で死亡したとみられ、イラク政府は関与していない」と語った。

 一方で駐イラク米軍報道官は、マスリ容疑者の生死に関する情報を確認できていない。同軍のクリス・ガーバー(Chris Garver)報道官は、マスリ容疑者に関する従来の情報には事実無根のものも含まれたことを踏まえ、事実関係を慎重に調査確認する意向を示した。

 エジプト国籍のマスリ容疑者は「アブハムザ・ムハジル(Abu Hamza al-Muhajir)」という別名を持ち、アルカイダ・イラク支部を率いる自動車爆弾製造の専門家であるとされる。米国務省は、同容疑者逮捕に100万ドル(約1億2000万円)の賞金をかけている。

 マスリ容疑者をめぐっては、2か月前にイラク政府軍兵士に銃撃され負傷したとの情報を国内メディアが伝えたが、後日この情報は否定されている。

 写真は2006年10月1日に放映されたマスリ容疑者のビデオ映像(イラク政府提供)。(c)AFP/SABAH ARAR