【北京/中国 18日 AFP】2008年の北京五輪に向けイメージ改善に務める北京市当局が18日に導入した規制により、北京のタクシー運転手らは生活習慣の見直しを迫られることになりそうだ。

 つば吐き、喫煙、奇抜な髪型、派手なピアスに別れを告げ、毎日、入浴する新たな生活の始まりだ。

 18日付け新京報(Beijing News)紙によると、新たな規制により、悪臭のするタクシーは2日間の営業停止処分となるほか、運転手は「矯正指導」を受けることになる。

■つば吐き、喫煙、過激なヘアスタイルなどが禁止に

 また、運転手のつば吐きや喫煙、女性運転手の大型ピアスや奇抜なヘアスタイルも規制対象となる。

 北京のタクシー運転手の間では、車内での飲食や喫煙、睡眠が習慣化している。北京市内で営業するタクシーは約7万台。運転手の平均月収は、約1500元(約2万3000円)程度だ。

 規制を導入した理由について、同市運輸管理局の姚闊(Yao Kuo)副局長は、「身なりに気を使わない運転手が多すぎる」と新京報の記事の中で語っている。
 「どのタクシーもニンニク臭や運転手の体臭にあふれ、その結果、タクシー業界の印象を損ねている」

 また、「常識をはずれた奇抜な服装も禁止」としたことについて、姚副局長は、「タクシーはサービス業。運転手は自身の外見が顧客に与える印象にも気を使うべきだ」と説明する。
 「今日からは、赤でも黄色でもヘアカラーはダメ。奇妙なヘアスタイルも禁止だ」

■香港の政務官が苦言

 規制の導入に先立ち、前月、中国人民政治協商会議に出席するため、 香港から北京を訪問していた施祥朋(Shi Xiangpeng)政務官が、北京のタクシーの「悪臭」に苦情を呈している。

 新華社通信(Xinhua)は、「タクシーに乗りこんだ途端に、強烈な悪臭が鼻をつくことがある。しかし、すぐに飛び出すのは失礼だと思い、我慢して乗っている」との同氏のコメントを報じている。
 
 施政務官の苦言はさらに続く。
 「『タクシーが臭い』という些細なことが、中国の国際的イメージを傷つける。五輪の開催国として、北京市は各国からの訪問者に非礼のないよう迎えるべきだ」
 
 写真は北京で、客待ちするタクシーの列(2006年6月4日撮影)。(c)AFP