【ソウル/韓国 13日 AFP】北朝鮮外務省の報道官は13日、マカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)の凍結資金が解除されたとの米国の発表を受け、「制裁解除を確認次第、寧辺(ニョンビョン、Yongbyon)の核施設の停止・封印を開始する」と語った。国営朝鮮中央通信(Korean Central)が伝えた。

 この報道官は、米財務省とマカオ当局が10日にBDAの北朝鮮関連資金約2500万ドル(約30億円)を全額凍結解除すると発表したことに触れ、「我が国の該当金融機関が、今回の発表の実効性をほどなく確認するだろう」とした。さらに、「(核施設の停止・封印などを定めた)2月の6か国協議合意を履行しようとする我々の意志には変わりがない。凍結解除が確認でき次第、合意を履行する」と強調した。

 凍結解除の発表に対して北朝鮮メディアが反応するのは、今回が初めて。北朝鮮政府は、資金が実際に返還されるまでは、6か国協議合意である寧辺の核施設の停止・封印などの初期段階措置履行しないと主張してきた。

 韓国の聯合ニュース(Yonhap news)はある外交筋の話として、北朝鮮の高官が既に凍結資金回収のためにマカオ入りしているものの、回収に手間取っているもようと報じている。

 一方、米韓の政府高官らは、核施設の停止・封印の履行期限が14日に迫り、BDA問題が長引いたことから、「履行期限の先送りはやむを得ない」としている。韓国の宋旻淳(ソン・ミンスン、Song Min-Soon)外交通商相も13日、「状況が好転しても、明日までの履行は難しいと理解している」と語った。

 写真は平壌で、朝鮮労働党創立60周年式典に出席した金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong Il)総書記(中央)ら(2005年10月9日撮影)。(c)AFP/KCNA