【プノンペン/カンボジア 1日 AFP】1日に地方評議会選挙が行われるカンボジアでは、与党人民党(カンボジア人民党、CPP)が圧勝を果たし、2008年の国会総選挙に先立ち権力の掌握を強めるものとみられる。

■与党CPPが圧倒的優位か

 今回の選挙では、12政党が擁立した10万2266人の候補者が、地方評議会の1万1000議席をめぐる選挙戦を展開したが、フン・セン(Hun Sen)首相率いるCPPが議席の大半を獲得するとみられている。

 国家選挙管理委員会(National Election Committee、NEC)のテープ・ニター(Tep Nitha)書記長は「地方評議会選は、2008年国会総選挙に候補者を出す政党にとっての試運転」と語る。

■選挙戦めぐり、続く暴力行為

 国内で地方レベルの選挙が行われるのは今回で2回目。2002年の初回選挙では、票の買収や脅迫、そして政治的暴力が多発し、準備期間中に100人以上が死亡。野党および右派勢力は、政治的動機による殺人事件と主張している。

 今回の選挙では、2002年の選挙時のような暴力騒ぎはほとんど発生していないものの、脅迫や数件の政治的殺害事件が報告されている。選挙監視NGO、COMFRELのKoul Panha氏は「前回の選挙に比べ状況は若干改善しているが、暴力行為はなくなっていない」と語る。同団体では、選挙運動期間中の票の買収や脅迫150件以上を報告している。

 テープ・ニター氏によれば、1日の選挙では1万4000人近い国内外の監視員が、各地に配置されることになっているという。

 地方評議会は地方の村や市を統治する小規模行政機関。2002年まで、議員は政府によって任命されており、1980年代以来議員の入れ替えはほとんどなかった。

 写真は3月30日、プノンペン(Phnom Penh)でCPPの応援をする少年。(c)AFP/ TANG CHHIN SOTHY