【東京 10日 AFP】安倍晋三首相は9日、従軍慰安婦問題に関する自身の発言趣旨がゆがんで伝わったため各国で非難が沸き起っているとして、海外メディアに苦言を呈した。

 安倍首相は「一部の報道では残念ながら、本来の意図と異なる、正確さと冷静さを欠く形で発言内容が伝えられた」と語る一方で、反論するかとの問いには「非生産的な論争を招く」として自粛する考えを明らかにした。

 保守的な歴史観で知られる安倍首相は前週、従軍慰安婦問題に関連して「強制連行には確実な証拠がない」と発言。その後、同発言をめぐって激しく非難されたため、「旧日本軍の兵士らが女性を連れ去り、売春を行う施設に強制連行したとする説にのみ言及したもの」と述べて発言内容を補足していた。

 写真は6日、マニラ(Manila)の日本大使館前で行われたデモに参加する元従軍慰安婦と主張する女性。(c)AFP/Jay DIRECTO