【ロンドン/英国 8日 AFP】プライスウォーターハウスクーパース(Pricewaterhouse Coopers、PCW)が7日に発表した調査結果によると、ロンドンは「世界の豊かな都市ランキング」で、順位を上げものと予想されている。ロンドンを上回るのは、東京とニューヨークとみられている。

■GDP世界4位へ

 PCWの調査によれば、ロンドンでは2005年、金融街シティで働く人々のボーナス所得が増加したことで、不動産市場が過熱化。一般消費も顕著になり、国内総生産(GDP)で世界第6位となった。

 2020年までにはパリ(Paris)とシカゴ(Chicago)を抜いて4位に躍り出るとみられる。東京、ニューヨークおよびロサンゼルス(Los Angeles)は、ロンドンの上位にとどまるものの、対企業サービスと金融サービス分野の力強い成長に支えられたロンドンの成長速度は、これら3都市を上回るという。

 PCWのマクロ経済部門トップのJohn Hawksworth氏は「無形ビジネス、金融サービス、消費者サービスといった分野において比較優位な都市が将来的に成功するだろう。めざましい経済成長を遂げる中国、インド、ブラジルも、これらの分野には容易に対抗できない」と語り「ロンドンとフランクフルトは増加する金融サービス取引で利益を上げ、パリとミラノのファッション産業は、新たな市場を開拓すべきだ」と付け加えた。

■経済成長率

 2020年のランキングに関しては、経済成長が著しい都市ベスト30は新興経済都市で占められるという衝撃的な事実が明らかになっている。

 新興経済都市のメキシコ市(Mexico City)、ブエノスアイレス(Buenos Aires)、サンパウロ(Sao Paolo)、モスクワ(Moscow)、リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)は現在上位30位までにランク入りしているが、2020年には、上海(Shanghai)、ムンバイ(Mumbai)、イスタンブール(Istanbul)および北京(Beijing)が仲間入りする見込みだ。

 PCWの調査は、人口と1人当たり平均所得を考慮した上、主要100都市のGDPが対象とされており、この種の調査としては世界初とみられる。

 写真は、ロンドン市内で最近、売りに出された高層ビルGherkin。(2006年10月13日撮影)(c)AFP/BERTRAND LANGLOIS