【ワシントンD.C./米国 14日 AFP】商務省は13日、2006年の米貿易収支について発表した。発表によると、貿易赤字は総額7636億ドル(約92兆5560億円)と記録的な水準まで急増。輸入石油価格の高騰と対中赤字の2点を貿易赤字拡大の主因とした。

■12月に612億ドルの赤字

 商務省によると、貿易赤字額は昨年12月単月だけで612億ドル(約7兆4181億円)に達し、同年11月の581億ドル(約7兆406億円)から大幅に拡大。ウォール街(Wall Street)の事前予測595億ドル(約7兆2091億円)を上回り、同年9月に記録した644億ドル(約7兆8066億円)に次ぐ水準となった。

 年間の貿易赤字額は、2005年の7167億ドル(約86兆8856億円)を超え、5年連続で最高記録を更新した。商務省は赤字額拡大の最大要因として、昨年半ばに石油価格が1バレル78ドル(約9457円)を突破したことをあげている。
 
 貿易赤字総額が拡大する一方、赤字幅の拡大は輸出額が4年連続で2けた台の伸びを示したため、対前年比で6.5%増にとどまった。

 2006年の貿易総額はそれぞれ、輸出が1438兆ドル(約17京4357兆5000億円、対前年比12.8%増)、輸入が2201兆ドル(約26京6849兆2400億円、対前年比10.5%増)。

 米貿易収支の改善要因はサービス部門で、2000年以来最高となる725億ドル(約8兆7907億円)の黒字を記録している。

■対中日貿易赤字は過去最高

 米国の対中貿易赤字は2005年の2015億ドル(約24兆4360億円)から2006年には2325億ドル(約28兆1790億円)へと大幅に拡大し、過去最高となった。

 通貨、元の為替レートや中国市場における米製品の市場アクセス問題で米政府は中国政府に対して交渉進展を促しているが、対中貿易赤字の状況を受けて、米政府に対する政治的圧力が一層強まることも予想される。

 また、米国の対日貿易赤字額も884億ドル(約10兆7115億円、対前年比7.2%増)と過去最高額を更新しており、米議会における円安ドル高是正要求も高まりそうだ。

 一方で、欧州連合(EU)に対する米貿易赤字は、急激なユーロ高の進行を受けて1166億ドル(約14兆1343億円)となり、対前年比で4.7%の減となった。また、カナダに対する貿易赤字も728億ドル(約8兆8256億円)と、対前年比で7.2%の減となっている。

 写真は、ロサンゼルス港で停泊するコンテナ輸送船(2002年10月3日撮影)。(c)AFP/Mike NELSON