【シンガポール 11日 AFP】シンガポール政府は、カジノ建設の許可を受けたマレーシアの企業ゲンティング・インターナショナル(Genting International)とマカオ(Macau)のカジノ王、スタンレー・ホー(Stanley Ho)氏との関係に神経をとがらせている。内務省のカジノ規制局は同社および同グループの企業のスタークルーズ(Star Cruises)に説明を求めていく方針である。

■シンガポールに第2のカジノ建設

 ゲンティング・インターナショナルとスタークルーズは、カジノを運営するマレーシアの企業ゲンティング(Genting Group)のグループ会社。2006年に、シンガポール第2のカジノリゾートをセントーサ(Sentosa)島に建設するライセンスを受けた。総額52億シンガポールドル(約4124億円)をかけて、アジアでは日本に次いで2番目となるユニバーサルスタジオ(Universal Studios)のテーマパークと6つのホテル(1800室以上)を擁する総合リゾート施設の建設を計画している。政府はまた、ラスベガスサンズ(Las Vegas Sands)に対してもカジノ経営を認めるライセンスを付与しており、シンガポール中心のビジネス街に国際会議施設を建設するMarina Bay Sandsプロジェクトを進めている。

■圧力を強めるシンガポール当局

 今回のリゾートプロジェクト「Resorts World at Sentosa」に対してスタークルーズは25%を、ゲンティング・インターナショナルは75%を出資しているが、1月には、Ho氏グループへのスタークルーズによる同社株式6.99%の譲渡合意が報道され、見返りとしてHo氏が運営するブティック・ホテルとカジノの株式を両社が受け取るはこびとなっていたことが明らかとなった。シンガポール内務省は、「両企業のマカオでの取引実態についてただしていくつもり」と述べる一方、ゲンティング側はストレーツ・タイムズ(Straits Times)紙に対し、「すでに説明は行った」と述べている。

■マカオカジノの不明朗な実態

 マカオは、2006年にカジノ収益70億ドル(約8500億円)をあげてラスベガスを抜き世界最大となったが、売春の横行や中国人秘密結社(triad gangs)との深いつながりが指摘されている。

 写真は、8日に撮影されたMarina Bay Sandsプロジェクトの模型。(c)AFP/ROSLAN RAHMAN