【テヘラン/イラン 29日 AFP】ロシア安全保障会議のイーゴリ・イワノフ(Igor Ivanov)書記は28日、マフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領ら複数のイラン首脳と会談し、イラン初の原子力発電所「ブシェール(Bushehr)原発」を予定通り9月に完成させることを確約した。

 イランを日帰りで訪問した同書記は、マヌーチェフル・モッタキ(Manouchehr Mottaki)外相および最高指導者アリ・ホセイン・ハメネイ(Ali Hossein Khamenei)師とも会談した。会談でウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領のメッセージを伝えたとされる同書記は、「ブシェール原発を予定通りに完成させる責務がロシアにはある」と会見で語った。ハメネイ師も会談後、国営テレビの演説で「予定通り稼働させることの必要性」を強調した。

 2006年9月、ロシアとイランは、ロシアの支援でイラン南部ペルシャ湾岸に建設中のブシェール原発を2007年9月に完成させることで合意している。発電は11月から開始し、核燃料は3月までにロシアから供給されることになっている。

 同書記は、会談の中で、国際原子力機関(International Atomic Energy Agency、IAEA)のムハンマド・エルバラダイ(Mohamed ElBaradei)事務局長が提案した「国連(UN)のイラン制裁決議1737号とイランのウラン濃縮活動の同時停止」を「政治的解決につながりうる提案」として、真剣に検討するようイラン政府に呼びかけた。
 
 写真は同日、テヘラン(Tehran)で握手を交わすマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領(左)と、イワノフ書記(中央)。右はイランの核問題交渉担当者アリ・ラリジャニ(Ali Larijani)氏。(c)AFP/BEHROUZ MEHRI