【ダボス/スイス 27日 AFP】欧州連合(EU)のピーター・マンデルソン(Peter Mandelson)通商担当委員は26日、世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド、Doha round)について「1か月以内に再開する」との見通しを示した。同委員は、ダボス(Davos)で開催中の世界経済フォーラム(World Economic Forum)のダボス会議に参加しており、各国の通商外交担当者が集まる席で示唆している。

 ドーハ・ラウンドについては、およそ30か国の通商担当閣僚が集まり、27日に再開について協議する予定となっている。WTOのパスカル・ラミー(Pascal Lamy)事務局長は前年7月、EU、米国および発展途上国の立場の隔たりにより、5年間続いたドーハ・ラウンドの中断を発表していた。

 マンデルソン委員は英フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)紙の取材に対し「今後1か月程度で農業、工業両分野の多品目について行き詰まりを打破できると信じている」と語った。同時に「農業分野におけるEU、米国間の協議は最悪の状況を脱しつつあり、最終段階に入っている」と話した。

 写真はダボスで24日、世界経済フォーラムの初日を迎えてライトアップされたホテル。(c)AFP/JOEL SAGET