【ワシントンD.C./米国 6日 AFP】コンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice) 国務長官は5日、訪米中の宋旻淳(ソン・ミンスン)韓国外交通商相とワシントンD.C.(Washington D.C.)で会談した。北朝鮮核問題について「徹底的な」議論を行ったライス長官は会談後の共同記者会見で、「北朝鮮が核放棄に向けて建設的な姿勢で臨むなら、6か国協議はかなり早い時期に再開できる」との見通しを示した。

 北朝鮮核問題をめぐる6か国協議は2006年12月に北京で再開されたが、具体的な進展が見られないまま休会。ライス長官は前回の協議を「基礎が固められた」と評価しながらも、「希望通りには進展しなかった。北朝鮮はより建設的な姿勢で協議に臨む必要がある」と語った。ライス長官は再開時期について明言を避けたが、報道官は5日、今月下旬にも再開する可能性を示唆している。

 宋外相は「次は北朝鮮が6か国協議参加国が前回出した提案への回答を示す番だ。北朝鮮は前向きかつ現実的な回答を持って協議の場に戻ってこなければならない」と発言した。またライス長官は「北朝鮮からは何も具体的な回答は受けていない」と述べた上で、現在中国が北朝鮮と討議中であると説明した。

 今週に入り、メディアは北朝鮮が各国の譲歩を引き出すため再実験の準備に入ったと報じたが、ライス長官と宋外相は口を揃えて「再実験の兆候はない」と述べた。またライス長官は「現在直面している問題について、何ら状況の変化はない。再実験に踏み切れば北朝鮮は一層孤立を深めるだけだ」と北朝鮮を牽制した。

 米政府高官は北朝鮮に示された提案については明言を避けたが、提案には国連(UN)の査察受け入れや平壌北部にある寧辺の核施設廃棄要求などが含まれていると見られている。

 写真は5日、共同記者会見に臨むライス長官(右)と宋外相(左)。c) AFP PHOTO/Brendan SMIALOWSKI