【ソウル/韓国 4日 AFP】31年前に北朝鮮により拉致され、現在中国に亡命している韓国人男性が、母国への帰還を訴えている。北朝鮮拉致被害者の支援団体が4日、明らかにした。

 韓国政府の発表によれば、過去50年間の国内の北朝鮮拉致被害者は500人にのぼる。今回、支援団体の協力を得て帰還を訴えているのは、元漁業従事者のChoi Uk-llさん(67)。Choiさんの親族らは4日、帰還要請を世論にアピールするため、厳戒下にある北朝鮮との国境付近の樹木に黄色いハンカチを大量に掲げた。

 聯合ニュース(Yohnap news)は、「できるだけ早く母国に帰り、家族とともに暮らしたい。どうか皆さんの力を貸してください」とのChoiさんのコメントを発表した。Choiさんとのインタビューは、数万人の北朝鮮亡命者が身を隠していると言われる中国国内の某所で行われたという。

 中国政府は北朝鮮亡命者の強制送還を定期的に実施。送還後の元亡命者は、拘束下に置かれ、時には拷問を受けることもある。
 
 写真は北朝鮮との国境付近の村で4日、Choiさんの帰還を願って樹木に黄色いハンカチを掲げる親族。(c)AFP/JUNG YEON-JE