【9月24日 AFP】ケニアの首都ナイロビ(Nairobi)市内の高級ショッピングモール「ウエストゲート(Westgate)」をイスラム過激派の武装集団が襲い、人質を取って立てこもっていた事件で、同国内務省は23日夜、マイクロブログのツイッター(Twitter)上で、同モールを「制圧した」と発表した。

 21日に発生したこの事件では、武装集団が施設内に60時間にわたり立てこもり、買い物客や従業員ら少なくとも62人を殺害、数十人を人質に取っていた。内務省は「われわれの部隊はモールの各階をまわって取り残された人を捜索している。人質は全員解放されたとみている」とツイッターで発表した。


 ケニア赤十字社(Kenyan Red Cross)は死者数を69人と伝えていたが、遺体を二重に数えていたケースがあったとして、23日に62人へと訂正した。

 ケニア赤十字社によると、まだ63人の安否が不明となっているが、この中には人質に取られた人や、今もなおモール内に隠れている人などが含まれているとみられる他、襲撃の犠牲になった人も含まれる可能性がある。また、政府高官によると負傷者は約200人に上った。

 ケニア治安部隊は23日、モール内の武装集団を一掃するべく攻勢を仕掛け、施設内には激しい銃撃戦の音や大きな爆発音が響き渡り、外からはモールから立ち上る濃い黒煙が確認されていた。

■襲撃グループには複数の国籍

 同事件では、隣国ソマリアのイスラム過激派組織「アルシャバーブ(Shebab)」が犯行声明を出した。ケニア軍司令官によると、襲撃グループにはソマリア以外の国籍の外国人戦闘員も多数含まれている。中には、二重国籍を保有するソマリア人もいるという。

「さまざまな国の出身者がいる。これが国際的なテロリズムであることを示す十分な情報をわれわれは持っている」と同司令官は語った。

 また、レンク内相は、武装集団の中に女がいるとの情報を否定し、「女はいない。テロリストは全員男だ。一部が女装をしていた」と述べた。(c)AFP