【9月22日 AFP】ケニアの首都ナイロビ(Nairobi)市内の高級ショッピングモール「ウエストゲート(Westgate)」が21日に覆面の武装集団に襲撃された事件で、少なくとも39人の死者の中に、外交官1人を含むカナダ人2人が含まれていたことが確認された。カナダのスティーブン・ハーパー(Stephen Harper)首相が明らかにした。

 死亡した外交官は、ケニアに駐在するカナダ高等弁務団のカナダ国境サービス庁(Canada Border Services Agency)連絡担当官のアンヌマリー・デスロジェ(Annemarie Desloges)氏。ハーパー首相は哀悼の意を表するとともに、「買い物客にすぎない罪のない市民を標的にしたと思われる、卑怯で憎悪に満ちた犯行」だとして事件を厳しく非難した。

 死亡者の他に約150人が負傷したとみられている。ソマリアの国際テロ組織アルカイダ(Al Qaeda)系イスラム過激派組織アルシャバブ(Shebab)が犯行声明を出した。ウエストゲートは来店客の多くがケニアの富裕層や外国人駐在員で、イスラエル資本が一部入っている。

 ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官は、事件の負傷者に米国人が含まれているとの認識を示すとともに、米国際開発局(US Agency for International DevelopmentUSAID)の外国人要員の妻が死亡したと語った。

 フランス政府は、自国民2人が犠牲になったと発表。英政府も、犠牲者に自国民が含まれているのは「疑いない」と発表した。

■人質を取って立てこもり

 ケニア政府が22日未明に発表したところによると、武装集団は複数の人質を取って依然モール内に立てこもり、治安部隊とにらみ合っている。

 ケニア政府の全国災害オペレーションセンター(National Disaster Operation Centre)が短文投稿サイト「ツイッター(Twitter)」で明らかにした最新状況によると、人質の人数は不明だが数か所に分散しており、連絡はまだ取れていない。モールの上層階の安全は確保されたという。

 現場で取材中のAFPの記者によると、時間発生から17時間が経過し夜明けが近づく中、治安部隊は引き続き作戦を実行している。

 封鎖線に配置されていた陸軍士官は「(事件解決に向けた)作業は続いているが、焦りは禁物」と述べ、「われわれは状況を監視しており、可及的速やかに解決したい」と付け加えた。(c)AFP