【9月20日 AFP】ナイジェリア北東部のボルノ(Borno)州で、軍の戦闘服を着て重武装したイスラム過激派「ボコ・ハラム(Boko Haram)」戦闘員の攻撃で少なくとも87人が殺害されたと、同州の当局者が19日発表した。

 ボルノ州知事を遺体発見現場に案内した同州環境保護局の職員は同行した報道陣に対し、「87人の遺体が森の中で見つかり、さらに犠牲者がいないかどうか捜索中」と明らかにした。

 地元住民によると、ボコ・ハラムは17日遅くに襲撃して多数の住宅やその他の建物に放火したという。この住民らは、道路脇に複数の遺体が散乱しているのを見たとも話している。

 さらに複数の目撃者の話ではボコ・ハラムは同州ベニーシェイク(Benisheik)地区に検問所を設け、逃走を図った車両の運転手や旅行者を銃撃したという。無傷で逃れることができたある運転手は18日、同州の州都マイドゥグリ(Maiduguri)で報道陣に対し、武装集団が「軍の制服」を着ていたと語った。ボコ・ハラムは過去にも軍の制服を着て襲撃を行ったことがある。

 襲撃の目的は明らかになっていないが、ボコ・ハラムはこれまでにも、軍を支援する自警団を組織した住民に対し繰り返し報復攻撃を行っている。地元住民によると、武装集団はボルノ州民だけを標的にし、他の地域の人々は検問所を通過させているという。

 ボコ・ハラムは、イスラム教徒の住民が多数を占めるナイジェリア北部でのイスラム国家樹立を目指して戦っていると主張しているが、ボコ・ハラムの暴力で犠牲になった人の大半を無防備な一般市民が占めている。(c)AFP