【9月16日 AFP】シリアのアリ・ハイダル(Ali Haidar)国民和解相は15日、同国の化学兵器の廃棄に向け米国とロシアが前日に交わした合意について、戦争を回避できる「勝利」だと歓迎した。

 ハイダル氏はロシア通信(RIA Novosti)に「(米露合意は)シリア国民を危機から救い、対シリア戦争の回避を可能にする一助となる。われわれの盟友ロシアのおかげで、シリアは勝利を得た」と語った。

 同日、ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相と会談し、シリアの化学兵器廃棄計画について説明。会談後の共同記者会見でケリー氏は、「武力行使の脅威はまだ現実のものとして残っている」と述べ、シリア政府に対する警告を発した。

 米政府は14日にスイスのジュネーブ(Geneva)でロシアとの間で合意した内容について、国際社会の支持を求めている。ジュネーブでケリー氏とロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相が3日間の協議を経て合意に至った内容は、備蓄量が世界最大規模とされるシリアの化学兵器を来年半ばまでに廃棄するというもの。また、同国政府が保有する化学兵器の詳細を1週間以内に提供するようバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領に求めており、これに応じなければ何らかの制裁と米国が率いる軍事介入の措置をとると定めている。

 シリアのオムラン・ゾウビ(Omran al-Zohbi)情報相は15日、英ITVテレビに対し、国連の承認が得られれば政府はこの廃棄計画に従うと表明。シリア政府は関連文書の用意に既に着手したとも付け加えた。 「シリアは国連の決定には全て従うことを約束する。既に文書の用意をし、作業に取りかかっている」。米露が合意した計画は国連安全保障理事会(UN Security Council)の採択で「より具体的なものになって」から実施すると宣言。シリアは化学兵器調査団を確実に受け入れるだろうとも述べた。(c)AFP