【9月15日 AFP】イスラム武装勢力「モロ民族解放戦線(MNLF)」の襲撃を受けたフィリピン南部ミンダナオ(Mindanao)島の商業都市サンボアンガ(Zamboanga)では14日、フィリピン軍が武装勢力を排除すべく作戦を続けた。一方、政府と武装勢力による休戦交渉は決裂した。

 マヌエル・ロハス(Manuel Roxas)内相は報道陣に対し、サンボアンガでMNLFの人質になっている住民は前日の100人以上から7人程度に減ったとする警察の推計を発表し、「これまでのところ、襲撃を押さえ込みつつあることにとどまらず、今後の活動の余地が狭まる程度にまでMNLFを圧迫したことは確かだ。現在、徹底排除に向けた攻撃を行っている」と述べた。

 サンボアンガでは、MNLFの攻撃で街全体が破壊され、数万人の住民が避難を強いられている。軍報道官によると、少なくとも3000人の政府の精鋭部隊が昼夜兼行で作戦を実施し、MNLFメンバー43人を殺害、19人を拘束したという。9日から続くMNLFと治安部隊との攻防でこれまでに50人以上が死亡しているが、ロハス内相の発言で、今回の危機がまもなく終わるのではないかとの期待が高まった。

 政府の軍事作戦について楽観的な見方が出された一方、ジェジョマル・ビナイ(Jejomar Binay)副大統領の仲介による政府とMNLF指導者ヌル・ミスアリ(Nur Misuari)氏の間の休戦交渉は決裂した。副大統領報道官は声明の中で、政府とMNLF双方が和平を望んでいるものの提示された条件に受け入れ不可能なものがあったと述べたが、詳細は明らかにしていない。(c)AFP