「NATO軍空爆で民間人16人死亡」、アフガン大統領が非難
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【9月9日 AFP】アフガニスタンのハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領は8日、同国東部で北大西洋条約機構(NATO)が指揮する国際治安支援部隊(ISAF)が実施した空爆により、女性や子供を含む民間人少なくとも16人が死亡したと非難する声明を発表した。一方のISAFは民間人の犠牲を否定し、武装勢力の10人が死亡したと主張しており、緊張が高まっている。
問題の空爆は、アフガニスタン東部クナル(Kunar)州で7日に実施された。大統領の声明がクナル州知事の報告として伝えたところによると、NATO軍の空爆によって女性や子供を含む民間人16人が死亡した。クナル州知事はこれに先立ちAFPに対し、女性4人、子供4人、男性4人の民間人計12人と、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)所属の戦闘員4人が死亡したと話していた。
また、同州の警察署長はAFPに、トラックが爆撃され、乗っていた女性や子供ら全員が死亡した、と語った。犠牲者には少なくとも女性4人、子供4人、民間人の運転手2人が含まれるという。
ISAFは民間人が犠牲になった可能性について調べるとしている。「われわれは正確な空爆によって、敵対勢力の10人を殺害したと確認している。民間人が犠牲になったとの報告はこれまでのところない」と声明を発表した。
NATO軍の攻撃による民間人の犠牲は、これまでもアフガン政府と米主導のNATO軍の間で亀裂を生んできた。NATO軍は来年末までの完全撤退に向け、規模の縮小を続けている。
一方、ワルダク(Wardak)州の当局者によると、同州の州都マイダーンシャー(Maidan Shar)で8日、情報機関を武装勢力が襲撃した。武装勢力の1人が爆発物を積んだ車で入り口の門に突っ込み自爆した後、他のメンバー5人が建物に突入。職員4人が死亡、民間人30人が負傷し、武装集団は全員殺害された。(c)AFP