【8月30日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)の常任理事国5か国は29日、シリアでの化学兵器使用疑惑をめぐる新たな協議を行ったが、国連による介入に向けた進展はなかったもようだ。

 先週シリアで使用された化学兵器により数百人が死亡したとされる疑惑を受け、英国がシリアの民間人を守るため「必要なあらゆる措置」を許可する安保理決議案を提出してから、常任理事国が対応を協議したのはこれが2回目。45分間の協議後、出席した英国、中国、フランス、ロシア、米国のいずれの大使もコメントしないまま、議場を後にした。

 米英仏は、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権側が化学兵器を使用したとみて、シリアへの軍事介入を検討している。これに対し、露中は国連による制裁に反対、欧米諸国による攻撃をけん制している。

 この再協議に先立ち、マーク・ライアル・グラント(Mark Lyall Grant)英国連大使は、この協議がロシアの求めに応じて開かれたことを明らかにしていた。同大使は協議に臨む直前に記者団に対し、「彼ら(ロシア)が英国の決議案を支持する意向を固めたという意味であることを期待している」と語っていた。(c)AFP