【8月28日 AFP】チャック・ヘーゲル(Chuck Hagel)米国防長官は27日、化学兵器を使用した疑いがもたれているシリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権に対する攻撃準備は完了しており、米軍はバラク・オバマ(Barack Obama)大統領からの命令があればすぐ行動に移すことができる態勢にあると明らかにした。

 しかし米ホワイトハウス(White House)のジェイ・カーニー(Jay Carney)大統領報道官は、米国が軍事介入に踏み切るとすれば、化学兵器は使用すべきでないという原則を守るためであると強調。「われわれが検討している選択肢は政権転覆を目指すものではないことを明確にしておきたい」と述べた。

 アナリストらは、米国やその同盟国の軍隊が、シリアの領海や領空の外から潜水艦や軍艦、または軍用機を用いて巡航ミサイル攻撃を行う可能性があるとみている。

■各国の反応

 シリアの反体制派は、首都ダマスカス(Damascus)近郊で先週起きた政権側による化学兵器攻撃で数百人が死亡したと主張しており、欧米・アラブ諸国からは軍事介入を求める声が高まっている。

 フランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領は、化学兵器の使用が疑われる攻撃の背後にいる者を「罰する準備ができている」と述べた。英国は、軍がシリア軍事介入のための不測事態対応計画を策定しているとし、デービッド・キャメロン(David Cameron)首相はこの危機的状況について話し合うため夏季休暇中だった議会を再招集した。トルコのアフメト・ダウトオール(Ahmet Davutoglu)外相も、化学兵器の使用が事実なら「人道に対する罪」であり、「処罰は避けられない」との見方を示した。(c)AFP