【8月27日 AFP】内戦状態にあるシリアのワリード・ムアレム(Walid Muallem)外相は27日、首都ダマスカス(Damascus)で記者会見を行い、欧米諸国による軍事介入が実行された場合、シリアは自らを防衛すると語った。またそうした軍事介入は、イスラエルと国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)を利することになるだろうとの見解を示した。

 テレビ中継された会見でムアレム外相は、米国とその同盟国から軍事介入を受けた場合、シリアには2つの選択肢があると述べ「降伏か、わが国が考える方法による自己防衛だ。第2の選択肢が最善で、われわれは自分たちを防衛するだろう」と語った。さらに「シリア(への介入)は容易ではない」とし、シリアには世界を驚かせる防衛力があるとも述べた。

 またムアレム外相は、欧米諸国が率いる戦争遂行努力は第1にイスラエル、第2にシリア国内で活動するアルカイダ系イスラム武装組織「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」を利することになると主張した。

 一方、ダマスカス周辺でアサド政権が化学兵器を使用した疑いが持たれている問題については、「戦争をあおる太鼓の音が周囲で聞こえる。(欧米諸国が)シリアに対する攻撃を仕掛けたいのならば、化学兵器の使用という口実はまったく真実ではない。証拠を見せろと彼らに言いたい」と強く反論した。

 ムアレム外相はまた、証拠収集のため国連(UN)調査団が26日に開始した現場地域での2日目の調査は、28日にずれ込んだことを明らかにした。同外相は「今日、驚くことに、反体制派が調査団の安全を保証しなかったために、調査団が到達できなかった」と述べ、延期の理由は反体制派側によるものだと主張した。(c)AFP