【8月27日 AFP】米国のジョン・ケリー(John Kerry)国務長官は26日、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権が市民に対し化学兵器を使用したことは疑いの余地がないと述べ、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領はこの「非道な行為」についての説明責任を追及していく構えだと警告した。

 テレビ放送された国務省からの声明の中でケリー氏は、まだ証拠を吟味している段階ではあるが、アサド政権側に責任があることは疑いの余地がなくなったと言明。「民間人を無差別に虐殺し、女性や子ども、無実の第三者を化学兵器で殺害することは、非道な行為に他ならない」と述べ、「いかなる規範に照らしても許されるものではなく、これまでにどんな言い訳やごまかしが捻出されたにしろ、否定することはできない」と、これまでで最も強い言葉を用いて断じた。

 米国とその同盟国がシリア政権に対する巡航ミサイル攻撃の開始準備を行っているという報道もある中、同国務長官は化学兵器を使えば相応の報いを受けてしかるべきだと警告。その上で、「オバマ大統領は、世界で最も凶悪な兵器を、世界で最も弱い立場に置かれた人々に向けて使用する者には、説明責任が必ずあると信じている。これは今日最も深刻な問題であり、最も厳しい調査の対象となっている」と語った。

 一方のアサド政権は化学兵器使用の疑いを否定しているが、ケリー氏は、米国が近く独自の具体的証拠を提示する予定であることも明らかにしている。(c)AFP