【8月20日 AFP】ナイジェリア軍は19日、イスラム過激派「ボコ・ハラム(Boko Haram)」の指導者で米国が「世界的テロリスト」の1人とみなしているアブバカル・シェカウ(Abubakar Shekau)容疑者が、同軍部隊との戦闘後に死亡した可能性があると発表した。

 同軍が入手した情報によれば「極めて凶悪で最重要指名手配犯のアブバカル・シェカウ」が6月30日に軍部隊との戦闘で銃で撃たれ、「2013年7月25日から8月3日の間に死亡した可能性がある」という。同軍は5月からナイジェリア北東部でボコ・ハラムの大規模な掃討作戦を実施していた。

 しかし同軍以外による確認は取れておらず、ナイジェリア軍の主張には誇張も少なくない。シェカウ容疑者の死亡は過去にも報じられたことが数回あったが、いずれも後に誤報と判明している。同国国防省報道官はAFPの取材に対し、治安当局がシェカウ容疑者死亡の決定的な証拠を探しているところだとして、軍の発表からは距離を置く姿勢を示した。

 シェカウ容疑者はこれまでにもたびたび所在を隠して動画メッセージを出しており、AFPが12日に確認した動画でも、同容疑者とみられる人物が自らの無事を主張し、8月初旬の攻撃についても言及している。ナイジェリア軍の声明は、この動画は捏造(ねつぞう)されたものだとしている。

 米国は3月、シェカウ容疑者に700万ドル(約6億8000万円)の懸賞金を懸けている。(c)AFP/Aminu Abubakar