【8月12日 AFP】イスラム教のラマダン(断食月)明けの祝祭「イード・アル・フィトル(Eid al-Fitr)」期間中にイラク各地で起きた爆発攻撃について、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系組織が11日、犯行声明を出した。一方、イラク国民の間では、一連の攻撃を防げなかったとして、政権に対する怒りの声が高まっている。

 首都バグダッド(Baghdad)や南部などで10日に起きた自動車爆弾攻撃では、74人が死亡、320人以上が負傷した。国際社会からは攻撃への非難が相次ぐなか、ヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相を含めイラク政府高官らは攻撃に関するコメントを一切出していない。

 今年のラマダンの月は、ここ数年のイラクで最も暴力行為による死者を多く出したものとなった。数か月にわたって繰り返される武装グループの攻撃に、イラクにおける全面的な宗派間抗争の再燃が懸念されている。

 10日の攻撃については、「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the Levant)」が11日、イスラム武装勢力系のウェブサイト上で犯行声明を発表。「イード(・アル・フィトル)の期間中も、その他の時も、彼ら(シーア派)には夜間も日中も安全と考えられるときはない」と警告している。(c)AFP/Salam FARAJ