【8月11日 AFP】シリア政府軍は10日、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領が属するイスラム教の少数派、アラウィ派の拠点であり、現在その一部を反体制派が支配している同国北西部ラタキア(Latakia)県と、反体制派が制圧している唯一の県都である北部の都市ラッカ(Raqa)を空爆した。シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)は、30人以上が死亡したと発表している。

 ラッカの空爆では、子供7人を含む少なくとも13人の民間人が死亡したという。ラッカの広い範囲を制圧した聖戦組織「イラクとレバント地方のイスラム国家(Islamic State in Iraq and the Levant)」の拠点を狙ったものとみられる。

 一方、地中海沿岸のラタキア県では、スンニ派に属する反体制派が支配する街サルマ(Salma)に政府軍が数回の空爆を実施し、20人以上が死亡した。うち少なくとも6人は反体制派のシリア人戦闘員、4人は外国人とみられている。
 
 反体制派は、ラタキア県内でアラウィ派が多数を占める10か所前後の村を支配していたが、政府軍が攻撃を加えたことで激しい戦闘になり、双方に数十人の死者が出たという。(c)AFP