【8月11日 AFP】イラクではイスラム教のラマダン(断食月)明けの祝祭「イード・アル・フィトル(Eid al-Fitr)」中の10日、国内各地で車両の爆発16件に加え発砲事件や爆発などが相次ぎ、合わせて少なくとも61人が死亡、300人近くが負傷した。

 治安および医療関係者からの情報によると、首都バグダッド(Baghdad)では、爆発物を積んだ車がカフェやレストラン、市場の近くなど8か所で爆発し37人が死亡した。組織的な攻撃だとみられている。バグダッドでは同日これに先だって起きた事件で別に2人が死亡していた。

 今回の一連の攻撃は、この5年で最悪の惨事となった。当局は、激しさを増す暴力を食い止めることができておらず、過去に数万人が死亡したイスラム教スンニ派とシーア派の全面的な衝突の再来を心配する声が上がっている。

 7月には国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のフロント組織がバグダッド近郊の複数の刑務所を襲撃して数百人の戦闘員が脱獄する事件が起き、専門家らは武装グループが急速に勢力を強めるのではないかと懸念していた。しかし当局は、その後の作戦で戦闘員の多くを殺害または拘束したと発表している。(c)AFP/W.G. Dunlop