【8月3日 AFP】エジプトの首都カイロ(Cairo)で2日、軍により解任されたムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領を支持するイスラム主義者らが、警官隊と衝突した。

 政府はこれに先立ち、座り込みを続けるデモ隊に対し退去を命じていた。だが約1000人に上るデモ隊はテレビ局が入る建物の前で新たな座り込み抗議を試み、警官隊はデモ隊に向け催涙弾や散弾銃を発射した。

 前日の1日には、ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官がパキスタンの独立系放送局「Geo TV」とのインタビューで、エジプト軍によるモルシ前大統領の解任は「民主主義を復活させる」試みだったと発言し、モルシ氏の出身母体であるイスラム主義組織「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」からの反発を招いている。

 一方で、各国はエジプト国内の各勢力に対し、騒乱の平和的な解決へ向けた圧力を強めている。ウィリアム・バーンズ(William Burns)米国務副長官は2日夜、モルシ派と暫定政権に対し対立解決を求めるため、カイロに到着した。

 またモハメド・エルバラダイ(Mohamed ElBaradei)暫定副大統領は、2日付けの米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が掲載したインタビューの中で、ムスリム同胞団などのモルシ氏支持派に対し、暴力の停止と対話を呼びかけた。

「今必要なのは、第一に、暴力を確実に止めること」

「その後は、モルシ氏が失脚したという事実をムスリム同胞団が理解しているかどうかを確認するための対話に入ることだ。しかしそれは、同胞団を排除するという意味ではない。(ムスリム同胞団は)憲法改定、議会選挙および大統領選挙といった政治プロセスに引き続き参加するべきだ」

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