【7月30日 AFP】イラクで29日、主にイスラム教シーア派が多く住む地域を狙った自動車爆弾攻撃が各地で相次ぎ、少なくとも57人が死亡した。これで7月に入ってからの死者数は800人を超えた。

 29日は、首都バグダッド(Baghdad)の9か所で自動車爆弾攻撃が11件起きた。このうち7か所はシーア派居住区域だ。さらに南部のバスラ(Basra)やサマワ(Samawa)などバグダッド以外の都市でも爆発が相次ぎ、全国で少なくとも232人が負傷した。

 治安当局や医療関係者からの情報をAFPがまとめたところでは、イラクでは今年に入り、こうした暴力による死者が3000人を超えた。政府は治安の安定を図っているが混乱は収まっていない。

 イラクのスンニ派はシーア派主導の政府に反発している。スンニ派とシーア派の長引く対立は、国内の暴力行為や隣国シリアの内戦などにより激化。イラクは全面的な宗派抗争の時代に逆戻りするのではないかと懸念されている。(c)AFP/Salam FARAJ, Ahmed al-Rubaye