【7月28日 AFP】(一部更新)エジプトの首都カイロ(Cairo)で27日、解任されたムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領の支持者らが警官隊と衝突し、エジプト保健省の発表によると、少なくとも72人が死亡した。

 カイロで起きた衝突は、モルシ前大統領が軍主導によるクーデターで解任された7月3日以降としては最も多い死者を出した。デモ隊は、警官隊が実弾を使用したと訴えており、エジプト内外で非難の声が上がっている。

 一方、モルシ前大統領の出身母体であるイスラム主義組織「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」の広報担当者は、モルシ前大統領の大統領復帰を求めてカイロ市内のラバ・アルアダウィヤ(Rabaa al-Adawiya)モスク周辺で座り込みを続けていたモルシ氏の支持者のうち66人が死亡したと発表した。

 モルシ前大統領の支持者らは、警官隊は武器を持たないデモ隊に発砲したと話している一方、エジプト内務省は、催涙ガスしか使用していないと主張し、今回の衝突はデモ隊の側に責任があると非難している。

 モハメド・イブラヒム(Mohammed Ibrahim )内相は、モルシ支持者らが行っている抗議行動は「合法的に、まもなく」排除されるだろうと警告するとともに、デモ隊に「理性を取り戻して」、自宅に帰るよう呼びかけた。

 また、26日にはエジプト各地でモルシ派と反モルシ派の大規模な抗議行動が行われ、エジプト第2の都市アレクサンドリア(Alexandria)で9人が死亡しており、26、27両日の抗議行動における死亡者は合わせて81人に上った。エジプト保健省によると26、27両日の抗議行動による全国の負傷者は748人で、うちラバ・アルアダウィヤモスク周辺で負傷したのは269人だった。(c)AFP/Samer al-Atrush