【7月24日 AFP】イラクで23日、イスラム教スンニ派モスク(礼拝所)4か所で夕方の礼拝に集まった信者を標的にした爆破事件が相次ぎ、12人が死亡した。当局が明らかにした。

 当局によると、この他の攻撃も含めるとイラク全土での同日の死者は28人に上った。これで7月の死者数は計638人となり、暴力事件が増加の一途を続ける今年の月間死者数としては最悪のペースを記録している。また保安・医療筋に基づくAFPの独自集計では、7月の負傷者数は23日までで1445人に上った。

 23日には、同国北部のキルクーク(Kirkuk)にあるモスクで1つ目の爆発が起きた後、近接するモスクで別の爆発が発生、合わせて7人が死亡、31人が負傷した。また、首都バグダッド(Baghdad)南部のモスクのそばでも爆弾2個が爆発し、少なくとも3人が死亡、9人がけがをした。さらに、バグダッド南東部のクート(Kut)のモスクの近くでは自動車爆弾が爆発、死者2人と負傷者9人を出した。

 イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」が2週間前から始まっており、夕方の礼拝は特別に延長して行われている。同国ではここ数か月、イスラム教のスンニ・シーア両派の礼拝所を標的とする攻撃が続いており、過去数年間に数万人の命を奪った全面的な宗派対立の再燃が懸念されている。(c)AFP