南スーダンで民族衝突が激化、1集落に負傷者200人超
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【7月15日 AFP】国連(UN)は14日、南スーダン東部ジョングレイ(Jonglei)州で1週間以上にわたって異なる民族の民兵組織同士の抗争が激化しており、1つの集落だけで200人を超える負傷者が出ていると発表した。犠牲者拡大への懸念が増している。
国連南スーダン派遣団(UNMISS)事務総長特別副代表のトビー・ランザー(Toby Lanzer)氏によると、同州マニャボル(Manyabol)に200人余りの負傷者が紛争を逃れてやって来たという。
緊急医療援助団体「国境なき医師団(Medecins Sans Frontieres、MSF)」はAFPの取材に、負傷者は銃で撃たれたり脚を骨折したりしていると話した。
未開発ながら広大な面積を持つジョングレイ州では、約20年続いた内戦で使われた多数の武器が出回っている。これまでも家畜をめぐる民族間の抗争や報復攻撃は日常茶飯事だった。だが、1週間ほど前に始まった民兵組織の抗争は、規模も性格もこれまでの民族衝突とは一線を画している。
地元当局者の報告によれば、武装した数百人規模のロウ・ヌエル(Lou Nuer)民族の民兵が州北部から、敵対するムルレ(Murle)民族が拠点とする南部ピボル(Pibor)郡に向かっているという。上空からマニャボル周辺を取材したAFP記者は、煙を上げて炎上する民家や、緑色の戦闘服を着て銃を担いだ男たちが南に向かって行進する様子などを目撃した。
マニャボルは広大な紛争地域内で唯一の集落で、州内ではさらに多くの負傷者や死者が出ている恐れがある。ランザー氏は、数千人の民間人が避難できず、低木の茂みに隠れたままでいる可能性があると指摘している。(c)AFP/Hannah MCNEISH