【7月1日 AFP】パキスタンで6月30日、各地で爆弾攻撃が相次ぎ、当局によると53人が死亡した。1日の死者数としては、ここ4か月余りで最悪のものとなった。

 最も多くの死者を出した2件の攻撃は、南西部クエッタ(Quetta)と北西部ペシャワル(Peshawar)近郊で起きた。クエッタでは、シーア派のモスク(イスラム礼拝所)近くの検問所で自爆攻撃が起き、当局によると28人が死亡、51人が負傷した。ペシャワル近郊では治安当局の車列を狙った車爆弾攻撃があり、地元の病院によれば、17人が死亡、46人が負傷した。警察によると、車爆弾は混雑した市場で爆発したために、死傷者の大半が民間人だった。

 クエッタは、隣国アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)系組織による暴力行為や、パキスタンからの分離独立を目指すバルチ(Baluch)人による反乱行為にたびたび見舞われる他、少数派のシーア派に対する攻撃も増加しており、パキスタンでも最も治安が悪化している都市の1つ。一方のペシャワルは、タリバンと国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系武装勢力が拠点とする半自治的な部族地域から近い。

 この他、アフガニスタンとの国境付近の部族地域、南ワジリスタン(South Waziristan)と北ワジリスタン(North Waziristan)でも道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発し、計8人が死亡した。

 パキスタンでは同日、デービット・キャメロン(David Cameron)英首相が首都イスラマバード(Islamabad)でナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)首相と会談し、「テロとの戦い」で厳格な対応を求めている。(c)AFP