【6月22日 AFP】パキスタン北西部ペシャワル(Peshawar)の外れにあるイスラム教シーア派(Shiite)のモスク(礼拝所)と神学校で21日、自爆攻撃があり、当局によると15人が死亡、25人以上が負傷した。

 標的となったモスクは、シーア派が住民の多数を占めるグルシャン・コロニー(Gulshan Colony)内にある。ペシャワル市は、パキスタン北西部のアフガニスタンとの国境沿いにある部族地域に隣接しており、この地域はアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)と国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系武装勢力の主要活動拠点となっている。

 この攻撃の数日前には、米国当局がアフガニスタンのタリバンとの和平協議をカタールの首都ドーハ(Doha)で開始したいとの意向を表明したばかりだった。

 警察当局者はAFPの現場取材に対し、「徒歩で近づいた自爆犯は、最初にモスク外を警護していた警察官たちに向かって発砲した後、礼拝所に入って、礼拝を直前に控えた信者たちの中で自爆した」と語った。

 別の警察官はAFPの取材に対し、当初は少なくとも3人の自爆犯が攻撃を実行するつもりだったと述べた。「そのうちの2人は、共犯者の1人が礼拝所に入って自爆を遂げたので逃げた」という。

 犯行声明はまだ出されていないが、パキスタンでは、イスラム教の少数派シーア派に対するスンニ派(Sunni)の過激派による攻撃が増している。シーア派はパキスタン総人口1億8000万人の20%に上る。(c)AFP/S.H. Khan