【6月19日 AFP】アフガニスタンの反政府武装勢力タリバン(Taliban)は18日、これまで敵対してきたハミド・カルザイ(Hamid Karzai)政権や米国との交渉窓口として大使館の役目を果たす対外連絡事務所を、カタールの首都ドーハ(Doha)に開設した。これを受けて米当局は同日、同国の代表団がタリバンとの協議を数日中に開始すると発表した。これが実現すれば、12年に及ぶアフガニスタンでの戦争の和平交渉による終結に向けた第一歩となる。

 タリバンは昨年米国との協議を打ち切り、カルザイ政権との交渉も拒否してきた。しかしタリバンのザビウラ・ムジャヒド(Zabiullah Mujahid)報道官はAFPに対し、ドーハの事務所を「タリバンと世界との対話を開始する」意図で開設したと述べた。

 一方の米当局者らは報道陣に、タリバンとの協議が「数日中に」再開される見込みだと伝えた。ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官はこの事務所開設について、「良い知らせだ。われわれはこの展開を非常に喜んでいる」と語った。

 タリバンのこの動きは、北大西洋条約機構(NATO)軍がアフガニスタン全土の治安権限をカルザイ大統領の部隊に正式に移譲した日と重なった。アフガニスタンは現在も戦火に見舞われ続けているが、米国率いる国際部隊は来年中の撤退を予定している。(c)AFP/Dan De Luce