【6月18日 AFP】米国防総省は17日、キューバにあるグアンタナモ(Guantanamo)米海軍基地内の収容施設に「無期限収容」されているテロの容疑者46人の氏名を公表した。46人はグアンタナモ収容所から移送するにはあまりに危険だが、証拠に不備があるとして裁判にかけることも出来ないという。

 15ページに上るリストは被収容者の詳細情報を初めて明らかにしたもので、情報公開請求に基づき米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)とマイアミ・ヘラルド(Miami Herald)に対して提供された。リストには、グアンタナモ収容所に拘禁されている166人全員の氏名も掲載されていた。

 オバマ大統領によるグアンタナモ収容所閉鎖の約束を受けて発足した専門チームは2010年、被収容者48人について、水責めなどの拷問とも非難されている過酷な尋問手法を用いたことから集めた証拠には効力がなく、裁判にかけることができないと結論付けていた。無期限被収容者のうち2人はすでに死亡している。

 また、被収容者のうち86人はすでにグアンタナモ収容施設から釈放が可能な状態にあり、人権団体はオバマ政権に身柄の移送を要求している。

 リストに掲載された訴追可能な被収容者は34人だが、連邦裁判所が「テロを支援する物資の提供」を戦争犯罪から除外する判断を下しているため、実際に訴追可能な被収容者はさらに少なくなる。

 訴追可能な被収容者には、2001年米同時多発テロの首謀者を自供したハリド・シェイク・モハメド(Khalid Sheikh Mohammed)被告と共犯の5被告や、2000年の米海軍駆逐艦「コール(USS Cole)」爆破事件のアブド・ラヒム・ナシリ(Abd al-Rahim al-Nashiri)容疑者らがいる。(c)AFP/Chantal Valery