【6月17日 AFP】イラクでは16日、主にイスラム教シーア派を狙った爆弾攻撃や銃撃が各地で相次ぎ、28人が死亡した。同国では暴力が急増し、政治のこう着状態が続いており、全面的な宗派間紛争勃発の懸念が高まっている。

 シーア派住民が多数を占める南部では、バスラ(Basra)やナシリヤ(Nasiriyah)など8都市で爆弾を搭載した自動車少なくとも計10台が、朝のラッシュアワーに爆発し、約100人が負傷した。また北部では、スンニ派アラブ人が多く住む主要都市モスル(Mosul)近郊で、警察官3人が銃で撃たれ死亡した。

 犯行声明は出ていないが、同国では国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)と関係のある複数のイスラム教スンニ派武装組織が、自分たちが背教的とみなすシーア派を標的とした攻撃を行っている。

 イラクでは先月、武装勢力の攻撃による月間死者数が2008年以降で最高を記録し、06~07年に泥沼化した宗派間紛争に逆戻りする恐れが高まっている。(c)AFP/Ahmed al-Rubaye