【6月16日 AFP】トルコ警察は15日、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相が立ち退きを命じる最後通告を発した後もイスタンブール(Istanbul)市内の公園の占拠を続けたデモ隊の強制排除に踏み切った。

 全国に広がる反政府デモの中心地・ゲジ公園(Gezi Park)から退去しなければ機動隊を介入させると同首相がデモ隊に警告してから2時間後、機動隊が同公園内に入って催涙弾と放水銃を使用した。

 数千人の人々が慌てて寝泊りしていたテントからはい出る中、機動隊員らはテントを踏みつけ、横断幕を引きはがし、バリケードを破壊した。続いて市の清掃員たちが現れ、日没で暗くなる中、現場を素早く片付けた。機動隊はゲジ公園に入る前、隣接するタクシム広場(Taksim Square)でも催涙弾と放水銃を使って数百人のデモ隊を排除していた。

 前日の14日、エルドアン首相は賛否両論ある同公園の再開発計画を一時見合わせると約束し、デモ隊に公園からの退去を求めたが、デモ隊はこれを拒否。15日には緊張が極限に達していた。

 エルドアン首相は自身が率いる与党・公正発展党(AKP)が首都アンカラ(Ankara)で開いた選挙集会で支持者数万人を前に演説し、「明日(16日)はイスタンブールで選挙集会が予定されている。はっきり言おう。タクシム広場から退去せよ。タクシム広場から(デモ隊が)退去しなければ、わが国の治安部隊は退去させる方法を知っている」と述べ、デモ隊に対して明白な警告を発していた。(c)AFP/Michelle FITZPATRICK