【6月14日 AFP】国連(UN)は13日、シリアの内戦による死者は少なくとも9万3000人に達し、そのうち子どもの犠牲者は6500人以上に上ると発表した。実際の死者数はこれを大きく上回る恐れがあるとも指摘している。

 国連の調査結果によると、死者数はここ1年で急増。月平均の死者数は2011年夏には約1000人だったが、2012年7月から現在までの月平均死者数は5000人以上に膨れ上がっている。

 ナビ・ピレー(Navi Pillay)国連人権高等弁務官は、「毎月おびただしい数の人が犠牲になっていることから、過去1年間で戦況が劇的に悪化していることが分かる」と述べた。昨年12月以降だけで2万7000人近くが命を落としたという。

 また12日に出された別の国連報告書では、シリアの子どもたちが狙撃手の標的や人間の盾になっている他、拷問を受けたり戦闘員として徴集されたりしていることも発表された。

 潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)国連事務総長は、勃発から27か月が経とうとしているこの内戦により「容認できず、耐えがたい」数の子どもが犠牲になっていると話した。13日に発表された調査結果では、子どもの死者数は少なくとも6561人、そのうち1729人が10歳未満だったとされている。(c)AFP/Jonathan FOWLER