【6月12日 AFP】内戦が続くシリアの東部にある村で11日、反体制派の戦闘員とイスラム教シーア派(Shiite)の村民らが衝突し、少なくとも60人の村民が死亡した。村民らはこの前日、反体制派の拠点を襲撃していたという。シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)が発表した。

 同監視団のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)代表がAFPに語ったところによると、村民らは10日、村近郊の反体制派拠点を襲撃し、2人を殺害。その翌日に反体制派側が村を襲い、60人のシーア派村民を殺害して村を掌握した。殺害された村民の大半は戦闘員だったという。

 衝突が起きたのは東部デリゾール(Deir Ezzor)県にあるスンニ派が住民の大半を占めるHatlah村。ラーマン代表によると、11日の戦闘で反体制派の戦闘員少なくとも10人が死亡した。村からはシーア派の住民が逃げ出しているという。

 シリア政府は国内の一部地域で民兵を組織し、親政権的な地区に武器と訓練を提供している。シリアでスンニ派が多数を占める反体制派が、シーア派から派生した宗派であるアラウィ派(Alawite)のバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領率いる政権側と続けている戦闘は、急速に宗派間抗争の様相を強めている。(c)AFP