【6月5日 AFP】シリアの反体制派は4日、戦略上重要な都市クサイル(Qusayr)での政府軍との戦闘に敗北したと宣言した。政府軍はクサイル全域と周辺地域を完全に制圧したと発表している。

 一方、シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)は、政府軍の攻勢を指揮していたレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラ(Hezbollah)の戦闘員らがクサイルを掌握したと述べている。

 クサイルは隣国レバノンからの武器や戦闘員の輸送の中継地であり、反体制派にとっては極めて重要な拠点だった。また、首都ダマスカス(Damascus)とその後方基地である沿岸部とを結ぶ幹線道路上にあるため、シリア政権にとってもクサイルは戦略拠点だ。

 シリア革命総合委員会(General Commission of the Syrian Revolution)は、米SNSフェイスブック(Facebook)のページで「今回はわれわれが敗北した」と述べた。

 これに先立ち、シリアの国営テレビは、3週間近くに及ぶ攻勢の末、政府軍が戦略拠点のクサイルを「完全に制圧した」と報じていた。(c)AFP