【5月18日 AFP】イラクの首都バグダッド(Baghdad)近郊で17日、イスラム教スンニ派を標的とした爆弾攻撃が相次ぎ、当局によると計67人が死亡した。同国では15日と16日の2日間で、シーア派に対する攻撃により数十人が死亡している。

 イラクではこれまでに、宗派間の衝突により数万人が死亡している。少数のスンニ派と多数のシーア派間の緊張が高まるなか起きた今回の暴力行為は、対立が最高潮に達した時期に繰り返された報復攻撃の恐怖の再来となった。

 首都バグダッド北郊にあるバクバ(Baquba)市内のモスク(イスラム礼拝所)では、礼拝者が去ろうとしていた時に最初の爆弾が爆発、現場に人々が集まったところで2つ目の爆弾が爆発し、警察や医師によると計41人が死亡、57人が負傷した。

 保安当局や医療関係者によると、17日夜にはバグダッド西部のスンニ派が多数を占める地域で、道路脇に置かれた2つの爆弾が爆発、少なくとも14人が死亡、35人が負傷。同市南部の別のスンニ派居住地域でも、2つの爆弾により2人が死亡、7人がけがをした。

 バグダッド南郊のマダイン(Madain)では、スンニ派男性信者の葬列近くの道路脇に置かれた爆弾が爆発し、保安当局や医療関係者によると8人が死亡、少なくとも25人が負傷した。

 バグダッド西郊にあるスンニ派の都市ファルージャ(Fallujah)では、喫茶店に仕掛けられた爆弾が爆発し、2人が死亡、12人が負傷した。

 保安・医療当局の情報を元にしたAFPの集計によると、今回の一連の攻撃を含め、5月以降に起きた暴力行為による死者数は255人を超えた。(c)AFP/Mustafa al-Tuwaijri