【5月17日 AFP】シリアの反体制派イスラム武装組織の戦闘員らが、同国東部でバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権の支持者らを処刑する様子を写したビデオ映像が、英国に拠点を置くシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)により16日、インターネット上で公開された。

 同監視団のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)代表がAFPに語ったところでは、処刑された人々が政府軍兵士であったかどうかは定かではない。映像の撮影時期も不明だ。処刑を行ったのは、米国がテロ組織として認定する武装組織「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」とされている。

 公開された映像には、目隠しをされ、カメラに向かってひざまずく少なくとも9人の男性と、その背後で声明文を読み上げる覆面の男が写っている。男は「(イラクとの国境に近い)東部デリゾール(Deir Ezzor)地域にあるアルヌスラ戦線のシャリーア(イスラム法)裁判所は、これら背教の兵士らに対し、シリア国民を殺戮した罪で死刑を宣告した」との声明文を読み上げた後、男性らを拳銃で1人ずつ撃っていった。

 この映像は、イスラム武装勢力の複数のウェブサイトでも公開されており、そこでは2012年に撮影されたと書かれている。

 アルヌスラ戦線のリーダーは先月、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の指導者アイマン・ザワヒリ(Ayman al-Zawahiri)容疑者に忠誠を誓い、アサド政権と戦う他のイスラム勢力を激怒させた。

 アルヌスラ戦線は、シリア国内の反体制派組織の中で最も攻撃的かつ重装備のグループの1つとして知られ、同国で起きる自爆攻撃の大半で犯行声明を出している。(c)AFP