【5月14日 AFP】2009年にイラクの米軍基地内で銃を乱射し、兵士5人を死なせた罪に問われたジョン・ラッセル(John Russell)陸軍軍曹が、死刑を回避するための司法取引に応じたことを受け、米軍法会議は13日、謀殺のなかでも事前の計画があり重く処罰される「予謀殺」の罪でラッセル被告に有罪判決を言い渡した。

 ジョン・ラッセル被告は、2009年5月、イラク最大の米軍基地キャンプ・リバティ(Camp Liberty)にある戦争ストレス治療施設で発砲し、兵士らを死なせた。ラッセル被告はこれまで、自身に責任能力がなかったことを主張していたが、弁護団が司法取引をとりまとめ、先月、罪を認めた。

 軍法会議は13日、正式にラッセル被告に有罪判決を言い渡した。量刑の言い渡しには1週間ほどかかる見通しだが、ラッセル被告には仮釈放のない終身刑と罰金、懲戒除隊が下されるとみられる。

■ストレス治療施設で銃乱射

 ラッセル軍曹は当時、3回目のイラク駐留任務に就いており、部隊の帰国が間近に迫っていた。だがラッセル軍曹の精神状態が良くなかったことから、事件の1週間ほど前、司令官に武器の没収とカウンセリングの受診を命じられていた。

 先月罪を認めたラッセル被告は、初めて事件について語った。被害者は施設で治療を受けていた兵士3人と医療スタッフ2人だった。

「逆上してやりました」と、ラッセル被告は軍法会議の判事に証言し、部屋を次々と移動しながら作業員や患者に向け発砲して回ったことを明らかにした。

「私は混乱していました。怒った記憶はありません。ただ、クリニックの外で私を目撃した人は、私が怒っているように見えたと語っているのは知っています」とラッセル被告が語ったと米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)は報じている。(c)AFP