【5月5日 AFP】(一部更新、写真追加)シリアの国営シリア・アラブ通信(SANA)は5日、首都ダマスカス(Damascus)郊外の軍施設が、前夜からイスラエルのロケット弾で攻撃されたと伝えた。

 SANAは、攻撃の標的は東グータ(Eastern Ghouta)地区のカシオン山(Mount Qasiun)にあるジャムラヤ(Jamraya)軍研究センターとしているが、死傷者の有無には触れていない。

 SANAは「シリア軍が一部地域で反撃に転じ、国内の治安と安定を回復する道のりで勝利を収めた中、イスラエルによる今回の新たな攻撃は武装テログループへの圧力を弱めようとする狙いがあるのは明らかだ」、「攻撃は、シリアに対する謀略へのイスラエルの直接的関与や、西側諸国や一部湾岸諸国の支援を受けた侵略においてイスラエルとテロ組織の間につながりがあることを示している」などと報じた。

 シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)は、この攻撃で大規模な爆発が数回発生し、死傷者が出たとしている。同監視団によると爆発発生時に航空機が飛んでいるのを目撃したという現地住民の目撃証言もあるという。

 米メディアはイスラエルが2日深夜から3日未明にかけて、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラ(Hezbollah)への武器輸送を標的に空爆を行ったと報じている。シリア政府は報復の可能性を警告しており、同国の内戦が中東域内に飛び火する事態への懸念が強まっている。国連(UN)は、シリア内戦では2011年3月以降これまでに少なくとも7万人が死亡したとしている。(c)AFP