【4月26日 AFP】米政府は25日、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権が反体制派との戦闘で化学兵器を使用した可能性を、初めて公式に認めた。

 米国家安全保障会議(US National Security Council)のケイトリン・ヘイデン(Caitlin Hayden)報道官は記者会見で、アサド大統領の政府軍による化学兵器使用の可能性を調査していた米情報機関の報告から「シリア国内で政府軍が小規模ながら化学兵器を使用したとの確証が、さまざまなレベルで得られた」と発表した。生理学的サンプルの分析では、猛毒神経ガスのサリンが使用された可能性が示唆されたという。

 米政府はかねてから、アサド政権による化学兵器の使用について、米国が軍事行動に踏み切る最後の一線「レッドライン」となると公言している。

 ホワイトハウスの高官は、アサド政権側が化学兵器を使用したことが確認されれば「あらゆる選択肢」を検討すると述べた。一方、防衛省高官は、情報機関内に異なる見方があることを指摘し、直ちにシリアに軍事介入することはないと強調した。(c)AFP/Tangi Quemener