【4月26日 AFP】イスラエル空軍は25日、レバノンからとみられる無人機をイスラエル北部の沿岸で撃墜した。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は、「極めて由々しい」出来事だと述べた。
 
 イスラエルは、ほぼ7か月前の2012年10月7日にも無人機を撃墜しており、この時はレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラ(Hezbollah)が犯行声明を出している。イスラエルのダニー・ダノン(Danny Danon)副国防相は、今回の無人機もヒズボラによるものだと断定している。
 
 一方、ヒズボラ系テレビ局アルマナル(Al-Manar)は25日、「パレスチナ占領地へ向かって無人機を送り込んだ事実はない」とするヒズボラの声明を伝えたが、詳細は明らかにしなかった。

 イスラエル軍は、「無人機がイスラエル沿岸に接近しているのが見つかり、25日午後2時(日本時間午後8時)ごろ、ハイファ(Haifa)から5カイリ(約9キロ)の沖合で、空軍機によって撃墜に成功した」と発表した。

 同軍報道官のピーター・ラーナー(Peter Lerner)中佐は報道陣に対し、同無人機がイスラエルの領空に侵入する前、レバノンの沿岸付近を移動していたところを発見したと話した。「航空機とヘリコプター、戦闘機に対し、同方面に向けた警戒態勢を取るよう指示した。同無人機が敵機であるという確認が取れたため、撃墜が許可された」と述べた。

 ヒズボラを非難する報道が広がる中、ラーナー中佐は事件がまだ調査中であるとして、「同無人機がどこから来て実際どこへ向かっていたのかまだ分かっていない」と慎重な姿勢を崩していない。調査の一環として海軍が「同無人機からの残留物を探している」ことも伝えた。(c)AFP/John Davison