【4月23日 AFP】イスラエル軍の情報機関幹部が23日、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領がシリア反体制派の戦闘部隊に対し、サリンの可能性が高いとみられる化学兵器を使用していると会議で語った。

「アサド(大統領)はシリアで化学兵器を使っている」とイスラエル軍情報部研究・分析部門のトップ、イタイ・ブルン(Itai Brun)准将はテルアビブ(Tel Aviv)で開かれた国家安全保障研究所(INSSInstitute for National Security Studies)の年次会議で語った。イスラエル軍の公式ツイッターで発表した。

 イスラエルのラジオ番組で放送された発言の中でブルン准将は、化学薬品にさらされたとみられる被害者の身体症状を列挙。「瞳孔は縮小し、口からは泡が吹き出ており、その他の症状と合わせて、化学兵器が使われたことを示す証拠だ。どの化学兵器か。おそらくサリンだろう」と語った。

 1938年にドイツで農薬として開発されたサリンは、致死性がある揮発性の神経ガスで、無色無臭。多量を吸入すると肺周辺の筋肉をまひさせ、身体の分泌機能を制御することができなくなる。そのため患者は粘液や唾液で肺が満たされ、呼吸困難に陥る。(c)AFP