【4月20日 AFP】 西アフリカ・カメルーンで休暇中にイスラム過激派により誘拐されたフランス人家族7人が18日夜、2か月ぶりに解放された。7人は翌19日夜、ローラン・ファビウス(Laurent Fabius)仏外相と共に母国フランス行きの飛行機に乗りカメルーンを後にした。

 20日朝には仏オルリ空港(Orly Airport)に到着し、フランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領が出迎える予定だ。仏政府は家族救出の経緯については沈黙しているが、オランド大統領は、身代金の支払いはなかったと強調。また大統領の側近らは、人質の解放は武力行使なしで行われたと述べている。

 タンギー・ムーランフルニエ(Tanguy Moulin-Fournier)さんとその妻、子ども4人と、タンギーさんの兄弟シリル(Cyril)さんの計7人は2月19日に誘拐され、国境を越えナイジェリアに連れ去られた。誘拐犯は国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の関連組織イスラム過激派「ボコ・ハラム(Boko Haram)」を名乗るグループで、ナイジェリア北部で2009年以降、数千人もの住民を殺害したとされている。

 誘拐された7人は18日夜、カメルーン当局に引き渡された。その状況は不明のままだが、7人はやせ細って憔悴(しょうすい)している以外は健康だという。「生きて解放されてとても嬉しい」とタンギーさんは語った。

 家族の誘拐は、仏政府がマリでのイスラム過激派と戦うための数千人の部隊を展開している最中に起きた。(c)AFP/Reinnier KAZE