【4月2日 AFP】リビアの首都トリポリ(Tripoli)近郊で31日夜、アリ・ゼイダン(Ali Zeidan)首相の側近が警備員を装った武装集団に誘拐されていたことが分かった。内閣関係者が1日、AFPに語った。誘拐の数時間前には、政府高官が殺害の脅迫を受けている事実がゼイダン首相から公表されたばかりだった。

 匿名を条件に取材に応じた同関係者によると、首相の顧問で首相府トップのMohammed Ali al-Gattus氏は、同国第3の都市ミスラタ(Misrata)からトリポリに車で向かっている途中に誘拐された。

 ゼイダン首相はこの誘拐事件発生のわずか数時間前、自身が率いる内閣が「非常に困難な状況」の下で運営されており、政府高官が殺害の脅迫を受けていることを明らかにしていた。

 国内情勢が不安定さを増す中、リビアの新政権は、同国を長期独裁したムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐を2011年10月に失脚させた反体制勢力の残党である民兵組織に対し、厳しい態度で対応すると公言している。

 トリポリ市内では現在、500を超える公有・私有の建物が民兵らに占拠されている。同市では民兵組織の追放作戦が開始されて以降、ここ数週間にわたり政府と民兵組織との間で緊張が高まっている。(c)AFP